知っておきたい!スポーツ中の脳しんとう

2026年09月1日

脳しんとう後の「もう一度」が危険

セカンドインパクト症候群を知っていますか?

スポーツ中に頭をぶつけたあと、本人が「大丈夫」「試合に戻れる」と話していると、そのまま競技を続けさせてしまうことがあります。

しかし、脳しんとうは見た目だけでは判断できません。

意識を失っていなくても、頭痛やめまい、吐き気、ふらつき、ぼーっとするなどの症状があれば、脳しんとうを起こしている可能性があります。

セカンドインパクト症候群とは?

1回目の脳しんとうから十分に回復していない状態で、再び頭や身体に強い衝撃を受けることで、脳が急激に腫れたり、出血したりする非常に危険な状態です。

これを「セカンドインパクト症候群」といいます。

発生すること自体はまれですが、命に関わることがあり、助かった場合にも重い後遺症が残る可能性があります。

特に成長期の子どもは、大人よりも回復に時間がかかることがあります。

「少し休んだから大丈夫」
「意識を失っていないから問題ない」
「本人が出たいと言っている」

このような判断で競技に戻すことは、とても危険です。

頭を直接ぶつけていなくても起こります

脳しんとうは、頭を直接ぶつけたときだけに起こるものではありません。

相手選手との接触や転倒などで身体に強い衝撃が加わり、頭が激しく揺さぶられた場合にも起こることがあります。

また、一般的なCTやMRIで異常が見つからなくても、脳しんとうを否定できるとは限りません。

このような症状に注意してください

頭や身体に強い衝撃を受けたあと、次のような変化が見られた場合は注意が必要です。

・頭痛、吐き気、めまいがある
・ふらついている
・ぼーっとして反応が遅い
・受傷前後のことを覚えていない
・同じ質問を繰り返す
・光や音を嫌がる
・普段より怒りっぽい、感情的になる
・「何となくおかしい」と訴える

意識を失っていなくても、脳しんとうの可能性があります。

私自身も脳しんとうを経験しました

私も中学生のころ、サッカーの試合中に相手選手と頭同士がぶつかり、脳しんとうを起こしたことがあります。

吐き気などはありませんでしたが、眉毛の上が大きく腫れ、たんこぶができていました。

今から30年ほど前は、現在ほど脳しんとうの危険性が広く知られていなかったこともあり、私もそのまま試合に復帰した記憶があります。

幸い大きな問題にはつながりませんでしたが、今考えると、とても危険な判断だったかもしれません。

「少しくらい大丈夫」と思うかもしれません。しかし、脳しんとうは見た目や本人の言葉だけでは判断できません。

決して大げさではありません。少しでも脳しんとうが疑われる場合は、無理に競技へ戻さず、慎重に対応してください。

疑った場合は、その日の競技に戻さない

脳しんとうが疑われた場合は、本人の言葉だけで判断せず、すぐに競技を中止させ、その日の競技には戻さないことが重要です。

その後は一人にせず、症状の変化を観察し、脳神経外科などの医療機関を受診してください。

次のような症状が見られる場合は、脳しんとうよりも重い脳損傷の可能性があります。

・強くなる頭痛
・繰り返す嘔吐
・けいれん
・意識の低下
・手足のしびれや脱力
・ものが二重に見える
・普段と明らかに様子が違う

このような場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

また、症状がなくなっても自己判断ですぐに競技へ復帰せず、医療機関の指示を受けながら慎重に判断しましょう。

「大丈夫そう」ではなく、安全を優先しましょう

子どもは試合に出たい気持ちから、症状を隠したり、「もう大丈夫」と話したりすることがあります。

だからこそ、保護者や指導者など、周囲の大人が止めることが必要です。

脳しんとうが疑われたら、

「すぐに競技から外す」
「その日は競技に戻さない」
「医療機関で評価を受ける」

この3つを覚えておきましょう。

選手のこれからを守るためにも、焦らず、安全を最優先にして競技復帰を進めることが大切です。