第3回 日本のスポーツ環境で大切にしたいこと ~子どもがスポーツを長く楽しむために~
2026年07月16日
こんにちは。
なかがみ鍼灸整骨院 院長の中上です。
これまで2回にわたり、アメリカ小児科学会(AAP)が報告している
・子どもがスポーツを辞めてしまう理由
・子どもがスポーツを長く楽しむための考え方
をご紹介してきました。
今回は、その内容を踏まえながら、
日本のスポーツ環境で大切にしたいこと
について、私自身が日々感じていることをお伝えしたいと思います。

「頑張ること」は素晴らしい
日本には、
「最後まであきらめない」
「仲間を大切にする」
「礼儀を学ぶ」
「努力を続ける」
スポーツを通して、人として大切なことを学べる文化があります。
これは日本のスポーツの大きな魅力だと思います。
だから私は、
「頑張ること」そのものを否定したいわけではありません。
「頑張ること」と「我慢すること」は違います
日々、スポーツを頑張る子どもたちの施術をしていると、
「痛いけど試合が近いから…」
「レギュラーを外されたくないから…」
「チームに迷惑をかけたくないから…」
そう話してくれる子どもたちが少なくありません。
中には、保護者にも先生にも言えず、一人で我慢している子もいます。
また、
「ケガをしたのは自分のせい」と感じ、自分を責めてしまう子もいます。
本来、ケガは誰にでも起こり得るものです。
だからこそ、一人で抱え込まず、安心して相談できる環境が大切だと私は思います。
「休むこと」もスポーツの一部
AAPでは、休養もトレーニングの一部と考えています。
体を休めること。心を休めること。
そして、また元気にスポーツを楽しめること。
そのための休養です。
休むことは、決してサボることではありません。
長く競技を続けるために必要な時間です。
私自身も高校時代、サッカーをしている中で手術が
必要なケガを経験し、約1年間プレーができない時期がありました。
「早くサッカーがしたい。」
その気持ちでいっぱいだったことを、今でも覚えています。
だからこそ私は、ケガをした子どもたちにも、
そう思えるくらい心も体もしっかり回復してから復帰してほしいと思っています。
焦る気持ちはよく分かります。
でも、その少しの我慢が、その先も長くスポーツを楽しむことにつながると
私は信じています。
子ども自身が楽しめる時間も大切
最近は、学校が終わるとチームでの練習。土日は試合。
という子どもたちも多くいます。
一方で、公園で遊んだり、友達と自由にボール遊びをしたり、
そんな時間は以前より少なくなったように感じます。
AAPでは、こうした自由に体を動かす時間(Free Play)も、
子どもの成長にとって大切だとしています。
スポーツは、「練習」だけではありません。
遊びの中でも、子どもたちは考え、工夫し、多くのことを学んでいます。
子どもが「痛い」と言える環境を
海外の調査では、多くの子どもたちが「ケガを隠してプレーした経験がある」と
報告されています。
その背景には、
「チームに迷惑をかけたくない」
「試合に出られなくなるかもしれない」
という気持ちがあります。これは日本でも、決して珍しいことではありません。
だからこそ、
保護者や指導者が、
「痛かったら教えてね。」
そう声をかけられる環境をつくることが、とても大切だと思います。
子どもが安心して「痛い」と言えること。
それも、スポーツを長く楽しむための大切な環境づくりではないでしょうか。
おわりに
スポーツは、勝つことだけが目的ではありません。
体を動かす楽しさ。
仲間と協力すること。
努力すること。
挑戦すること。
たくさんの経験を通して、子どもたちは心も体も成長していきます。
だからこそ、スポーツが「つらいもの」ではなく、
「楽しいもの」
であり続けてほしいと願っています。
スポーツは、子どもたちの人生を豊かにしてくれる素晴らしいものです。
だからこそ、「上手になること」だけでなく、
「スポーツを長く楽しめること」も、
私たち大人が大切にしていきたいですね。
子どもたちが、大人になっても
「スポーツをやっていてよかった」と思えるような環境を、
私たち大人みんなでつくっていきたいですね。



